【くもをさがす】西加奈子 河出書房新社
2023.05.18ブログ久しぶりに本の紹介です。
直木賞作家である西加奈子さん初めてのノンフィクションです。今めちゃくちゃ売れてますよね。
滞在先のカナダで浸潤性乳管がんを宣告された著者が、乳がん発覚から治療を終えるまでの約8 ヶ月間を描いた作品です。
幼い子供を抱えながら異国の地での癌告知、抗がん剤治療、副作用、そんな中でコロナ感染、手術、両胸切除…。
いろんなことが著者に訪れます。そんな状況にもかかわらず、ぶれない著者の明るさやユーモアに温かい気持ちにさせられる一方、自分の中にある弱さや闇、怖さや汚さをさらけだした、むきだしの文章に感情が揺さぶられます。
そして出てくる人達みんな本当に優しく美しい!!(あえて言葉を関西弁で翻訳している技法も憎いですね)
本当に人生いろんなことがあるけれど、これを読むと、人にやさしくしようと思い、自分にも自信が持てるような気がします。
人間として、人として、大切なことがたくさん凝縮して詰まっている一冊です。
今なかなか元気がでない人にお勧めです。