【法服の王国】上巻
2017.04.19ブログ「法服の王国【黒木亮】岩波現代文庫」上巻を読みました。
長沼ナイキ事件、恵庭事件、平賀書簡問題、津地鎮祭事件、伊方発電原子炉設置許可処分確取消請求事件…
二人の同期の裁判官を軸に昭和40年ころからの司法史を振りかえることができる。一人は、エリートコースを駆け上がる裁判官、もう一人は、ブルーパージにより支部から支部へ転勤を繰り返す裁判官。対照的な二人。白い巨塔の財前と里見のような感じ。
法曹関係者が読むとテンション本当に下がります。疲れます…。もちろんフィクション部分も多々あるのでしょうが、長沼ナイキ事件の控訴審が「統治行為論」(高度の政治性を持った国家の行為である統治行為は、裁判所の審査権の範囲外にあるとする考え)採用した経緯のくだりは、本当に恐怖です。
その中で、とてもほっこり、共感させられたのは、同期の絆です。同じ時期に司法修習をおこなった仲間は、いつになっても特別な関係です。本の中でも裁判官や弁護士となり、立場は違えど、同期で再会し、酒を飲みかわす場面がよく出てきます。気を全く使わず近況を愚痴りあう「あの感じ」は、良く取材しているなぁと思いました。
昨日私も岡山弁護士会の同期(63期)のメンバーで集まって食事を行いました。違う弁護士会に移転する仲間、岡山に帰ってきた仲間の歓送迎会も兼ねたものでした。飲み放題だったので、何を話したかあまり覚えていませんが…、どこに行っても刺激しあい高めあう関係でありたいものです。
これから「法服の王国【黒木亮】岩波現代文庫」下巻に入りたいと思います。