マクリーン事件
2022.01.30ブログ弁護士の腕。弁護士の強さ。力量。
この業界は本当に公平だと思います。
金とかコネとか、年齢とか全く関係がない。力を注いだ量、情熱、日々の研鑽がストレートに結果に反映することを実感しています。
相手がたくさんの弁護士を抱える事務所だろうが、東京の事務所だろうが、日弁連の会長だろうが関係ありません。新人だろうが、裁判で勝つ弁護士は勝てる。結果を出しています。
ある意味言い訳がきかないシビアな業界だともいえます。
修習生や若い弁護士に「何年で1人前になれますか?」なんて質問をうけることがありますが、愚問です。林修ではないが「今でしょ!」ですよ。
マクリーン事件。
大学の法学部生なら、憲法の授業で必ず勉強する最高裁判例です。
国が、在留外国人マクリーンさんの在留期間の更新を、マクリーンさんが行っていた政治活動を理由に拒否したことが、おかしいんじゃないかと争われた事件です。
その結果、外国人にも基本的人権が保障されると認められた画期的な判例です。
一審から最高裁までの流れを見ていくと、担当弁護士は、本当に様々な工夫を行っており、脱帽します。このまま放っておくとマクリーンさんは強制退去になってしまう。裁判がなかなか進まない中で、効力停止の申立を用いるなど非常に鋭い構成で戦っていることがわかります。
「国がやってることはおかしい」、「国には負けない」圧倒的な情熱で、最高裁まで戦い抜いています。結果は負けてしまったものの、画期的な判示を勝ち取っています。本当にすごい。
この裁判を担当した弁護士は、弁護士登録をしてまだ4カ月の二人の新人弁護士です。
同期の二人は、悩み、動き、勉強し、国に最後まで戦いを挑んでいます。
私も老け込んでいる場合じゃないですね。結果をもとめて頑張ります!
なお、マクリーン事件を担当した新人弁護士のうちの一人は、後に「無罪請負人」と呼ばれる著名な弁護士弘中惇一郎先生です。