裁判員裁判で無罪判決を獲得しました(続き)
2017.12.01ブログ平成29年11月10日に裁判員裁判(現住建造物等放火罪)で無罪判決を獲得しました。
判決文の中で、特に印象に残ったのが、うつ病の影響による心神喪失を認定する理由の中で,「ご家族の医療機関への受診の努力」がふれられていたことです。
どちらかというと,情状酌量的な事情で法的な認定に直結するような事情ではないようにも思われます。
事件発生後も,ご家族は,懸命に今回判決を受けたAさんを支援してきました。ご家族は裁判中も連日傍聴席でAさんを支援してきました。
判決文の一文は,そんなご家族に対する裁判官,裁判員の方々からのエールのようにも受け取れました。
今回の裁判では,相弁護人と本当に時間をかけて準備しました。何度も夜間に面会に行きましたし,書面も書き直しました。
最近読んで影響を受けた本の言葉に,「「思考力」より「思考量」。その案件について地球上で一番考えている人間であれ。」
という言葉がありました。我々弁護人は,本当に不器用で正直後から考えると無駄な作業もたくさんありましたが,愚直に時間をかけてやったことが,この結果につながったのだと思います。
「思考力」がなくても,「思考量」でカバーして,今後も考えて,考えて,考えて,結果にこだわっていきたいと思います。